VOL.2 〜日本人の骨格と整体〜
 現代人を苦しめている、ガンや生活習慣病においては、近年、遺伝を疑う傾向が強くなっているみたいです。糖尿病の家系であるとか、あるいは、親戚でガンで亡くなった人が何人かいるだとか、よく聞かされます。そして、『やがては自分もそうなるのでは?』『どうすれば予防できるのか?』そんな考えにだとりつくのです。先祖から受け継ぐ遺伝子は、宿命的ですから、こういった悩みは、なかなか解決してくれません。
 今回は、骨格の遺伝から発生する、不幸な症状について話してみたいと思います。
 私は職業柄、毎日、患者様の骨格を拝見していて感じているのですが、親子で通院してくる方や兄弟で来院される方の特徴を観察していると、顔ばかりか体型までが、そっくりな場合が多いです。まさしく血統のあかしなのだと思います。それからもうひとつ腰の悪い人の子供は、やはり腰が悪い場合が多いということ…
 一例を紹介すると農家のお年寄りで腰の曲がった人がいます。昔は農機具が普及しておらず、早朝から暗くなるまで、腰を曲げて働きつめだったといいます。なるほど、長年の無理がたたって腰が曲がるのは、仕方がないことだと思います。ところが、同じ様に働いてきた人でも、腰も痛めもせず、曲がってもいない人もいます。『それはなぜか?』となりますが、そこで考えられるのは骨格の違いです。
 人体を横から見た場合、なだらかなS字曲線を描いています。しかし、その曲線には、個人差があり、垂直に近い程、背骨がまっすぐな人もいます。はたして、体重のある人の場合、どちらが腰に無理がかかるのか?答えは、背骨がまっすぐに近い人です。
 なぜなら、このS字のカーブは、バネの役割をしているのです。上半身の体重は、背骨を伝わって骨盤で受け止められているのですが、背骨が弓なりのなっているので腰骨にかかる重力を軽減してくれているのです。背骨がまっすぐに近いと、上体の重さがまともに腰骨にかかるため、腰の軟骨が押し潰され、ヘルニアを引き起こしやすくなります。
 更に骨盤にも圧力がかかり、骨盤が開いてくるとガニ股となり、今度は股関節やヒザ、足首にも負担をかけてしまいます。腰の痛みは、腰だけに溜まるわけではないので深刻です。
 人種によっても骨格の違いがあります。欧米人の場合、後頭部とお尻の出っ張りが大きいため、S字カーブが強く腰痛も少ないと言います。骨格が違うと、筋肉の発達の仕方まで変わってきます。
 欧米人は、押しつける腕力が強く、のこぎりを使う時も押し切りで切ります。日本人は、引き手の力が強いので引き切りをします。
 この差はヘビー級の格闘技を見ているとはっきり判ります。日本のお家芸の柔道は、引き付けて投げ、そして絞め上げます。日本人の得意なスタイルなのでオリンピックでもだいたい金メダルです。しかし、欧米で盛んなボクシングの場合、特にヘビー級となると東洋人は殆ど活躍しておらず、大半は白人と黒人です。同じ体重の場合、欧米人と日本人では押す力では、まるで勝負にならないのです。骨格の違いによる筋肉の発達の違いの壁は厚いです。
 そこで『我々、日本人に適した腰痛の予防法とは何か?』という話になりますが、いくつか方法はあります。『体重の増加を抑える』『主に下半身を強化する』『腰に負担をかける姿勢をとらない』『筋肉疲労を溜めない』 それから、整体にかかって体の軸を整えるという手段もあります。
 もし 平岡整体療院に御来院された時には、当院としての役割をしっかり果したいと考えております。

それではまた次回・・・・・・・・


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