〜 古代文明の謎 〜



少しはしゃいでしまった私


エジプト考古学博物館正面入口


3月は気温が安定せず、寒かったですね。 私は体が気温の変化についていかず、カゼ気味です。 今回は少し大きなテーマに迫りたいと思います。 それはピラミッドの謎です。 エジプトのキザ台地にそびえるあのピラミッドです。 あのピラミッドは何の目的で造営されたのか、私が現地の人から聞いた話の一部始終を紹介させて頂きます。



ギザの3大ピラミッド
(ギザ台地)


第1ピラミッドの角から見た第2ピラミッド
(ギザ台地)

「三つ並んだピラミッドは王家3代の墓として同じ人が設計した」
建造された時は神殿なども建てられて複合施設として造られたのだが、後世に石材として使われ、モスクや城壁の建材に使われた。 現在、残されたピラミッドは、王の遺体を隠すためのものである。 第一ピラミッドに使われた石材だけでも約600万トンもある。 9世紀にイスラムの指導者が東側の壁に横穴を開けて侵入をこころみた。 偶然、奥に通じる通路を発見して一番奥の30畳ほどの部屋にたどり着いたが、そこには空っぽの石棺のよろなものとネズミの死がいしかなかったそうだ。 その後、1000年がたつが何も見つかっていない。 「ピラミッドは王の墓である」 現地人が言うには、その通路が発見された時に答えは出ていたと言うのである。 彼は空っぽの石棺の寸法を計り、上昇通路の寸法と比べて見た。 そうしたら石棺は縦にしても横にしても、とても通らない寸法だった。 なるほど、この石棺は完成してからここに運ばれたものではなく、建造の途中で置かれたものらしかった。 では、この部屋と通路の目的は何か、もし、ここが王の遺体を安置する場所だとしたら壁も天井も豪華な壁画で埋め尽くされていて、生前の王の活躍が象形文字で記されているはずである。 だとすると、この通路も部屋も侵入者を想定して作られ侵入者の落胆を狙ったものである。 では王の遺体はどこにあるのか? 王は死んだら神と同化すると言われていた時代である。 設計者は多分、リレー式の埋葬を考えたに違いない。 イメージとしては、こうなる。 第一ピラミッドの建造中にクフ王が死去、70日後にミイラが完成、埋葬室に埋葬したとあと、ピラミッドを完成させる。 この仕事を引き継いだのは、当時の皇太子カフラー。 その後、皇太子は王に即位して、すぐに自分の陵墓に取り掛かる。 これが第二ピラミッドである。 やがてこの王が死去した後、埋葬を済ませて、第二ピラミッドは完成される。 やはり完成までの工事は次のメンカウラー王が行なう。 なぜこのようなリレー式の建造をしたのかとなると、膨大な時間と金を使ったのは何の為かとなる。
設計者は王の墓があばかれないことを第一に考えたと思われる。 なので王の埋葬室に棺と副葬品を持ち込んだあと、その上に数百万トンの石を積んで完成させたものと思われる。 恐らくピラミッドを解体しなければ棺は見つからない。 王の眠りは守られたのである。 もし解体したとして、それにかかる労力や膨大な時間を考えた時、公共事業としてどれだけの費用を投じることになるか、やはり宝を探すために、それ以上の金を使うのは無理である。 やはり設計者ヘムオンの作戦勝ちである。




ファラオの眠り
(カイロ博物館 ミイラ室)



史上最古のジェセル王の階段ピラミッド
(サッカラ)
※このピラミッドは外から眺めるだけで
内部には入場できませんでした。



スネフェル王の赤ピラミッド
(ダハシュール)



スネフェル王の屈折ピラミッド
(ダハシュール)
※ここから先は軍の施設が
 ある為、立入禁止でした。

ジエセル王の階段ピラミッドから100年を経て、ギザの三大ピラミッドにたどり着くのだが、この100年前後に造営されたピラミッドは、4500年ものあいだ、幾度もの地震に見舞われているが、ほとんど無傷と言ってもいいほど姿を変えていない。 その理由としては、良質な石材の使用と、石組みの技術の高さにある。 ギザのピラミッド以降は石材の質を低下や造営技術の低下で、ほとんどが崩れてしまっている。 近年になってギザ台地付近に労働者の住んでいた村が発見されている。 当時の労役を務めた人達は、良い労働条件で雇われていたようだ。 休日も食料も酒も充分に与えられて、工事にかかわった人材も優秀な技術者が集まったようである。 ところが、その後の時代のピラミッドの傷み方を見ると、職人も石材も労働条件も良くなかったのではと思われる。 やはり時代を経て、国力が低下してお金を掛けられなくなったのではないだろうか。 いつの時代も、いい仕事は、金次第である。 移動中のバスの中で話してもらったエジプト人の話でしたが、私は妙に納得したものです。

【 つづく 】


平岡整体療院HPへ - もくじ

inserted by FC2 system