〜 命を賭ける 〜

最近は暑い日が続いていますね。そこで今回は少し寒くなる話題にしたいと思います。今年の春、5月15日AM8:10分 登山家の野口健氏がチベット側からエベレスト登頂に成功!!名パール側からと併せて2度目の登頂です。今回のアタックは多忙なスケジュールのためトレーニング不足であり、野口氏本人も登る前から不安だったようです。念願叶って山頂で喜びをかみしめたあと登りで疲れた体を引きずるように下山を開始、8000mの高度は酸素濃度が地上の3分の1しかなく、18歳の成人の体力が90歳まで低下します。そしてアクシデントは下山する時に多く発生してます。下山を始めて40分程すぎた時、異変は起こりました。山頂で偶然一緒になった他の隊の日本人が「疲れたから休みたい」と言ってうづくまってしまいました。野口氏は、彼をロープで固定して少し休むことにしたのですが、その矢先、彼は「うーん」とうなったままガクリと首を垂れてしまいました。「大丈夫ですか?」と声をかけたのですが、あっと言う間に死後硬直が始まったそうです。成す術もなく、死んだばかりの彼のシエルパ(案内人)は泣きだしてしまいました。「お前の責任じゃない!これがチョモランマの世界なんだ!」野口氏はそう言ってシエルパをなぐさめたのですが、本当は自分が泣きたかったそうです。その後、100m下った雪壁の下に遺体を固定したあと遺族に渡す遺品を手に更に下山を続けました。「あの時はそれがしてやれる精一杯だった」そうです。それからも酸素マスクに故障が見つかり酸素が吸えずにフラフラになって転倒して岩に体を打ちつけ、はうようにして無数の登山家の遺体の横を通過し、ようやく6時間後にキャンプに到着、その時の言葉が「首を負傷して体中が痛いけど生きて戻れたことにただただ感謝したい!」死と隣り合わせの世界に住む登山家の言葉は重さが違いますね。周囲の期待が高まるほど登山家は更に困難な挑戦に向かって行きますが、これから先も「命賭け」の人生が待っていることを考えると背筋が寒くなる思いがします。 【つづく】



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