平岡整体療院院長の放浪記


第65話 願掛け登山
「太田山神社に挑む!!」




私は先日、道南の瀬棚町まで行ってきました。 海岸線にある過疎化の進んだ集落に建つ神社まで行ってきたのですが、その神社はとても古く600年もの歴史があります。

仏教彫刻で良く知られる、美濃国の高僧、円空上人が修行で訪れたことや、幕末の探検家、松浦武四郎が旅の安全祈願に参拝したと言われている『太田山神社』です。 太田山神社は、参拝することが、とりわけ困難なことで有名な神社で、一説には『日本一危険な神社』との呼び声が高いのです。

では、なぜ、そんなに危険なところへ行ったかと言うと、私自身がどうしても叶えたい願い事があったからなのですが、人を寄せ付けない神秘的な神社だけに願いが通じそうな気がしたので、はるばる行ってみました。 神社の第一鳥居から上を見上げると、いきなり、山の急斜面に取り付けられた、一直線に伸びる急階段が続いています。



この階段は、140段もあり、傾斜角度は45度くらいです。 しかも、石段の歩幅は15センチほどしかなく、そこへ、つま先をかけて、ロープを使って上がって行くしかありません。

140段目まで来たところで二番目の鳥居をくぐります。 ここでは、古過ぎて顔の形がわからないほど侵食の進んだ、狛犬や、お地蔵様が迎えてくれました。 それから先は、急斜面にロープが張られた登山道が続いています。

ここから、両手、両足をフルに使った登山が始まりました。

40分くらい、ひたすら登ると、水をかぶったくらいに汗をかいて、山の断崖に架けられた橋のところまでやってきました。



この橋を渡ると、いよいよ最後の関門となりますが、橋を登るように渡ると、垂直の崖にポッカリと口を空けた横穴が見えてきました。

 

この横穴の洞窟までは、橋を渡り終えた地点から7m上にあります。 この7mの壁が、本殿に参拝するための最後の関門となる『北尋坊の壁』と呼ばれる絶壁です。 体力に自信のない人や、根性が足りない人は、ここから引き返すそうです。


7mの壁

頭上からは、吊り輪をつないで作ったような鎖がぶら下がっていてますが、登る手段は他になく、ここで覚悟を決めるしかありません。 鎖にしがみ付き、数分の間、落下の恐怖と戦いながら、私は夢中で、よじ登りました。

 
【写真左】洞窟から下をのぞいたところ  【写真右】洞窟内の左の壁

私は、自分の体がこんなに重たかったのかと改めて驚きましたが、それでも何とかかんとか洞窟内に到着することができましたが、体力を消耗したためか、しばらくは動けませんでした。 洞窟内は、もろい岩質の壁をくり抜いて造られたもので、天井からは、岩にしみ込んだ雨水がしたたっていました。 室内は畳4〜5枚ぐらいの広さがあり、畳2枚分ぐらいのスペースに小さな神社が建てられていました。


太田山神社本殿

洞窟内から下界を見下ろすと、海岸線に建っている、太田神社が丁度見渡せるようになっていて、この洞窟の位置は、その事を計算のうえで、ここに掘られたようでした。



洞窟内から下界を見ると海岸線に太田神社が建っているのが見える
太田山神社 向かいの小屋の中に円空作の狛犬が展示されている


かつて円空上人が、この場所で製作して奉納したと言われる木彫りの仏像は、大正の山火事で失われていて、残念ながら見られませんでしたが、神社の軒下に吊るされた参拝者の残して行った絵馬を見てみると、『○○さんと結婚できますように』 『我が家の庭から石油が湧きますように』…等などの願い事が書き記されていました。


往復で1時間半程かかった

そこで、私は、背負ってきた一升瓶のお酒をお供えしてから、『今度こそ禁煙が成功しますように』…とお願いしました。 現在、禁煙を始めて4ヶ月目ですが、1年後も禁煙できていたら、その時にまた、報告しに来ようと思います。


太田山の頂上の横っ腹をくり貫き、洞窟が掘られた中に本殿が造られている


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