平岡整体療院院長の放浪記


第56話 エキゾチックカイロA
「ハンハリスーク(バザール)」


エジプト観光の締めくくりに、多くの観光客がハンハーリの市場へやって来ます。



観光客は、たくさん来るけど地元の人はあんまり行かない、お土産を買うための市場です。 お土産の定番である、香水の壜やパピルス、エジプト綿製品や工芸品、果てはアクセサリーやスパイスの専門店まで、あらゆるお土産店が迷路のように続いています。

市場の周りには、観光客向けのお土産品を製造する工房があり、これはこれで一大観光産業になっています。

店先に並ぶ商品には、ほとんど値札などは表示されておらず、店員に値段を尋ねても相場よりもウンと高い値段しか言いません。

店員の言い値で買い物をすると、とても高い買い物をする破目になるのです。

そこで、買い物をするためには、面倒でも十分、交渉しなくてはいけません。 自分の希望価格になるまで買わないことです。 元々の値段が、ボッタクリ価格なのに、敵はなかなか負けないで食い下がって来ます。 半分まで値切ったとしても、店はしっかり儲かります。

私は、もう既にスーツケースに隙間が無くなるくらい、お土産を買ってしまった後だったので、市場に訪れた頃には別に欲しい物も無かったのですが、店員が声を掛けてくるので、ちょっと冷やかしてみることにしました。

敵は、いくら値切っても相場の倍の値段を吹っかけてくるので、私は怒って帰ろうとする素振りを見せました。 すると、『マスター、勉強しました』 そう言って、あわてて値段を下げて来ました。



こんな具合で買い物を楽しむ訳ですが、片言の日本語で 『コレ全部 デ 千円』 『ジャパニーズマスター、チョット ミル ダケ、タダ、ヤマトナデシコ』 等と、どこで覚えたのか、そんなことを言って来るので、ついつい足を止めて声のする方に目が行ってしまいます。

それで余計な買い物をたくさんしてしまうのです。

1時間程、市場巡りをしてバスに戻った頃には、両手がお土産の荷物で一杯になっているという結末です。 後になってから買って来た物を改めてよく見てみると、今さら買わなくても良い物をたくさん買ってしまってました。


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