平岡整体療院院長の放浪記 |
第54話 カイロへ行く途中での一大事 |
モンタザ・シェラントンホテルに泊まった翌朝、ホテルのロビーにはすっきりとした顔で、ガイドのイマド君が立っていました。 昨晩は新妻と共に過ごしたせいか朝から機嫌が良さそうです。 私は『昨日は何回頑張ったの?』 そう聞いてみようと思いましたがやめておきました。 荷物をバスに積み込んで出発すると、デルタ地帯の畑や森の緑を鑑賞しながらカイロに向かって進んで行きます。 やしの木の林の中を貨物列車が通過するのを見ていると、後ろから私の肩をたたく人がいます。 振り返ってみると、同じツアーで同乗している年配の男性がとても切ない表情をして『トイレに行きたいんじゃが、バスはまだ止まらんのじゃろうか?』と聞いて来ました。
そこで私はガイドのイマド君に尋ねてみると『あと1時間程でスタンドに寄る予定です』と言います。 私が同乗者の緊急事態を告げると、イマド君はバスのドライバーにすぐに耳打ちをしていました。 5分後にバスは道沿いのドライブインの前で止まりました。 切ない顔をしていた男性はその頃になると、額から脂汗を流して必死の形相に変わっていました。 バスが止まったと同時に男性は立ち上がると、直立姿勢のまま小走りでトイレになだれこんで行きました。 その男性に続くように他にも2人の女性が丸くなって走って行きました。 トイレから戻ってきた3人は、皆ぐったりして、うなだれています。 後でガイドから聞いたのですが、こういう事はしょっちゅうある事らしく、観光客はよく水や食事で腹痛を起こしては、バスを止めてトイレに駆け込むのだそうです。 |
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