平岡整体療院院長の放浪記 |
第52話 アレキサンドリアF 「カイト・ベイの要塞」 |
紀元前のアレキサンドリア港の一方の端には、埋め立てによってできた半島があり、その突端に『ファロス島』という名前の小さな島がありました。 紀元前305年にアレキサンダー大王の後継者として、当時のファラオのプトレマイオス1世は、このファロス島に船舶の航行に必要な陸標となる灯台の建設に取り掛かります。 灯台は大理石のブロックを積み上げて建設されていますが、完成当時の高さは134mもあったらしく、灯台の光は50km先まで届いていたそうです。
ファロス島の大灯台は、地中海世界の人々にその名が知れ渡っていたので、ギザのピラミッドと並んで『古代世界七不思議』にも数えられていた程でした。 ところが、その後、796年の地震によって半壊してしまい、さらに1323年の地震では全崩壊してしまいました。
その後、イスラム王朝時代に入ってから、マムルーク朝のスルタン(太守)アシュラフ・カーイト・ベイは、1480年頃、灯台の残骸の場所に、残骸の石材をそのまま再利用して要塞を建造しました。 現在は、軍の博物館やモスク(礼拝所)として活用されており、『カイト・ベイの要塞』と呼ばれております。
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