平岡整体療院院長の放浪記


第50話 アレキサンドリアD
「アレキサンドリア国立博物館」


ナイル川は首都カイロを過ぎたあたりから、いくつもの川に枝分かれして地中海に注いでいます。 このナイル川が末広がりになって地中海に向かう地形をデルタ地帯と呼びます。

第19王朝以降のエジプト王朝の政治・経済の中心は、この地、デルタ地帯へと移って行ったのです。 ラムセウムやタニスが首都だった時代を経て、プトレマイオス王朝の首都がアレキサンドリアに移されてからは、270年もの長きに渡り地中海世界の交易と学問の都として栄えました。 なかでもアレキサンドリア図書館は世界一の蔵書の数を誇り、アリストテレスやクレオパトラが足しげく通いました。


クレオパトラ

この日の行程表では『グレコローマン国立博物館』へ行く予定になっていましたが、そこは工事中で休館になっていた為、行き先は『アレキサンドリア国立博物館』に変更になりました。


博物館を正面から

この博物館の展示品は、デルタ地帯からの出土品が大部分を占めていて、一階部分はグレコローマン時代、二階にはコプト時代からイスラムの時代、地下には古代エジプト時代といった具合に、各階ごとに時代を区分して展示してありました。


プトレマイオス朝の貴族のミイラ

収蔵品が少ないためなのか館内は暗くしてあり、展示品をライトアップした物が目立ちました。 ここでの見所は地中海に水没した宮殿から引き上げられたクレオパトラの石造の頭部がなかなか良かったと思いますが、もっと興味をそそられたのが、薄暗い地下に展示されていた木棺に納められたミイラが寒気を誘って印象的でした。 鳥肌が立って身体が冷えてしまったので、一階のトイレに駆け込みましたが、ドアを開けると、そこには全身が黒尽くめの大きな女性が立っていたのでドッキリしましたが、それはトイレのチップ徴収係の女性でした。 エジプトの観光地では空港でも駅でも博物館でも、トイレではチップを徴収されるのが常識で当たり前のことです。


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