平岡整体療院院長の放浪記


第45話 ナイルエキスプレス

アブシンベル神殿を観光した後、飛行機に乗ってアスワンまで戻って来ました。 時刻はすでに夕方になっていましたが、その後、空港から駅に向かい次の目的地のアレキサンドリアまでは列車で移動します。


寝台特急ナイルエキスプレス

かの有名な『ナイルエキスプレス』に乗って行くのですが、私は新幹線の様なピカピカの高級列車をイメージしていました。 ところが、乗り込んだ列車はかなり使い込まれた古い車両で、車体の至るところに、ペンキの剥がれたあとや、さびて出来た穴がたくさん空いていました。 『憧れの高級列車』とは程遠かったので私の抱いていたイメージは、もろくも崩れてしまいました。


大陸をかけるナイルエキスプレス

客室はナイル川に向かって西側に窓が付いており、二人掛けのソファーが置かれた畳2枚分くらいの広さです。

ドアがノックされて夕食が運ばれて来ました。 食事は飛行機の機内食のようなものでしたが、すでに冷たくなっていました。


客室内にはトイレ以外は一通り揃っている

列車が動き出したので私は食事をしながら外を眺めていたのですが、ナイル川に沿って集落が並んでおり夕日に照らされた畑が続いています。 私はシミジミとこの国は農業国なんだなぁと思いました。


列車内の通路

ぼんやりと景色を眺めていたら、やがて暗くなり、道沿いの街灯しか見えなくなりました。

列車が停車すると駅舎の明かりの下で子供たちが遊んでいます。 サトウキビをかじりながらボールを蹴って遊んでいます。

その様子を見て自分の少年時代の記憶がよみがえり、外が暗くなるまで遊んでいて家に帰ると親からこっぴどく叱られていた思い出と重なりました。

また列車が動き始めると何もする事がなくなり、私はソファーを倒してベッドにして横になり外を眺めていました。 列車の振動に揺られているうちに、だんだん瞼(まぶた)が下がって来てそのまま眠ってしまいました。


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