平岡整体療院院長の放浪記 |
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第44話 ダハシュールのピラミッド
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サッカラの台地から更に南に10キロ進むと、ここにも古王国時代の代表的なネクロポリス、ダハシュールのピラミッド地帯があります。
その中でも特に有名なのが第4王朝の最初のファラオ、スネフェル王の二つのピラミッドです。
もし、ギザのピラミッド群が現存していなかったとしたら、ダハシュールに築かれたピラミッドがエジプト最大のピラミッドです。
クフ王の父にあたるスネフェル王は、先代のフニ王の時代から工事を引き継いだピラミッドも合わせると、全部で3基ものピラミッドを完成させています。
大きさでは息子のクフ王のピラミッドに及ばないものの、使用された石材の総体積では全てのファラオの中でも最大です。
では、なぜそれほどピラミッド事業に予算を投入できたのか?
スネフェル王は非常に強力なファラオだったらしく、彼の統治時代にはレバノンから買い入れた大量の木材で、軍船を建造してシナイ半島や、シリア、ヌビア地方などに大掛かりな軍事遠征が行われました。 侵攻を重ねて支配を広げる傍ら、積極的に交易も行われ巨万の富を集めることで大規模ピラミッドを次々に建造して行きました。 複数のピラミッドを建造することで技術的な進歩も早まり、息子のクフ王の代に引き継がれた財力と技術はやがてギザ台地へと舞台を移し、ピラミッド黄金時代を迎えます。 実験を重ねるように、スネフェル王が建造技術に改良を加えたことで、クフ王の時代には理想的な形が完成しました。
スネフェル王のピラミッドの内部を見てみると、伝統的な石の積み方が見られますが、高い天井部分の組み上げ方はクフ王のピラミッドと同様の技法で行われています。 ギザのピラミッドばかりが有名ですが、スネフェル王が後世のファラオに与えた影響力は強力であり、古代エジプトが豊かなピラミッド時代を迎えられたのはスネフェル王の努力の賜物だった事は言うまでもありません。
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