平岡整体療院院長の放浪記


第35話 ナイル川上流の神殿@
「エドフ神殿」


ルクソールから南へ96キロ、車で2時間ほど走った所にエドフの街が見えてきます。

ここに現在エジプトに残る神殿の中で、最も保存状態が良好だと言われている『ホルス神殿』があります。


第一塔門

高さ35mの塔門を持つこの神殿は紀元前237年頃から180年もの工事期間をかけて完成したそうです。 規模ではカルナック神殿に次ぐ大きさです。


入り口の手前にキオスクが建っていた
カメラを向けると おじさん が頼んでもいないのにポーズを取っていた


時代はマケドニアのアレキサンダー大王の部下であったプトレマイオスの子孫が統治していた時代にあたり、当時のファラオはギリシャ人でした。




西暦1860年にフランス人、オウギュスト・マリエット(カイロ博物館の創設者)が神殿の整備を開始した頃はそこはすっかり砂に埋もれてしまっており、住民の住居や納屋に囲まれていて村のゴミ捨て場と化していました。




しかし、皮肉なもので、そのおかげで完全に近い状態で遺跡は保存されていた事になります。

ここに奉られているホルス神は天空の守護神にあたり、エジプト創世神話では邪神と戦った英雄的な神で、ハヤブサの姿をしておりエジプト航空のシンボルマークにもなっています。

壁に描かれたレリーフ(浮き彫り)などは、ギリシャ美術の影響を受けており人物の姿がより立体的に描かれております。 その一方で、もっと古い時代の神殿などでよく見られるファラオの立像や坐像などは殆ど見られず、ホルス神の像ぐらいしかありませんでした。




この神殿の建造には、180年もの歳月がかけられた様ですが古い時代のピラミッド建造と比較してみると、使用された石材の体積や動員されたであろうと予想される労働力を考えてみた場合、レリーフの彫刻や壁画などの装飾の手間を入れてもそんなに時間がかかったとは思えません。



ピラミッドの建造にかかった期間は、一基あたりで20年〜30年ぐらいだったらしく、3500年にわたるエジプト王朝時代の中でもピラミッド造営を超える大工事があり得ない事を考えると、エドフ神殿に180年もかかったという話はとても不思議な事です。


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