平岡整体療院院長の放浪記


第32話 「ルクソールB」
ルクソール神殿



第一塔門の脇に置かれた頭だけ残されたラムセス2世像

ナイル川に寄り添うにして建てられたその神殿は、カルナックアメン大神殿に付属した神殿として、やはり3500年ほど前(第18王朝期)に建てられました。 


エジプトの神殿の特徴として左右対称の配置で神殿は建築された場合が多い
坐像はラムセス2世のもので、オベリスクのもう片方はフランスにある


もともとカルナックアメン大神殿とは参道でつながっており、かつての古代王朝時代には神々が神殿に降臨してくることを祝うオペト祭などの祭事が盛んに行われていたそうです。 


ラムセス2世の坐像は間近で見ると痛みが激しい

ここでも参道の両側にはスフィンクスが並んでいます。 ここでのスフィンクスは頭にメネス頭巾をかぶった人間の顔で胴体はライオンです。 


参道に並ぶ人頭獣身のスフィンクス

ルクソール神殿はカルナック神殿には規模では到底及ばないものの、この神殿ならではの見所が至る所で見られます。 参道を進んで塔門をくぐると左手にイスラム教の寺院らしきものが見られます。


第一塔門のすぐ後ろに礼拝所がある

これは9世紀頃、砂に埋もれていた遺跡の上にイスラム教徒が礼拝所を建てて使用していたものですが、20世紀に入り本格的な発掘が進むとイスラム教のモスクは、巨大な神殿の中に囲まれて残ってしまっていたのだそうです。 そのモスクは遺跡の石垣の上に乗っかっている状態で、ビルの屋上に建っているペントハウスのように奇妙な景観を見せています。 現在でも礼拝所として使われているそうです。 


現在も残るイスラムのモスク


ロータスをかたどった列柱廊の柱

第一中庭の列柱室と立像群

さらに大列柱廊の奥に進むと天井が残った神殿に続いているのですが、ここでは古代エジプト王朝の壁画や聖刻文字が無残にも削り取られ、コプト教(キリスト教の一派)の宗教画が描かれています。 『最後の晩餐』らしき壁画も見られます。


この様に神殿の内部は異教徒の礼拝所に造り変えられてしまった所もある

古代エジプト王朝が滅亡した後、ローマ帝国はエジプト全土に支配を広げ、神聖な神々の神殿にまで改築の手を加えて、ローマ帝国を礼賛する為の礼拝堂を建てたりしました。


ツタンカーメン王と王妃アンケセナーメンの坐像

かつて繁栄していた大帝国も滅亡した後は、破壊と迫害の憂き目にあっていたのです。


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