平岡整体療院院長の放浪記


第31話 「ルクソールA」
カルナックアメン大神殿


首都カイロから約600kmほどナイル川を南にさかのぼった場所に、古代の都テーベ(現在のルクソール)があります。 600kmもの距離ですが飛行機に乗って行くと、ひとっ飛びで到着してしまいました。

テーベは、古代エジプト王朝の中間頃の黄金期に栄えた都で、街全体が遺跡であふれています。



このルクソールには 世界最大規模の神殿、カルナックアメン大神殿があります。 この神殿はナイル川の東岸に位置しており、幅500m、奥行き1500mの敷地内に建造された恐ろしく巨大な施設です。 


聖なる池から見たハトシェプスト女王のオベリスク

内部の構造は、複数の神々を祭った神殿になっていますが、中央部分には当時の最高神アメン神が祭られているので 『カルナックアメン大神殿』 と呼ばれています。


礼拝の前にファラオが身を清めた聖なる池

アメン神とは、エジプトの敵を征服する神という意味なのだそうです。 

私は神殿の入り口へ降立った瞬間、その迫力に圧倒されてしまいました。 ギザのピラミッドと並んで 『エジプト観光の目玉』 と称されるだけあって実に壮大な神殿です。 


正面入り口から

入場門に立つと第一塔門がそびえ立っていますが、高さが43mもある その塔門は、まるで岩でできた摩天楼のようです。 

この大神殿は当時のエジプトでは神々に仕える聖職者、政治、経済、軍事において最も重要な聖地であったらしく、新王国時代の歴代の王たちは競い合うように国費を注ぎ込み増改築を続けました。 その工事期間は千年以上にも及んだというのですから本当にすごいことです。


高さが43mの第一塔門

神殿の入り口から参道へ進むと、そこには神社の狛犬のように向い合わせに並んだ羊の頭をつけたスフィンクス数十体が連なって並んでいます。 なぜ羊の頭なのかというと アメン神は羊の化身だからだそうです。




そのスフィンクスの参道を過ぎると今度は第一塔門から最奥に位置する至聖所までの参道がはるか遠くまで続きます。 巨大な第一塔門をくぐると、第一中庭に出ますが大神殿に相応しい巨大なモニュメントが広大な中庭に並びます。 




第一塔門を裏側から見た所

どれも長い歳月と異教徒による破壊の後が見られますが、建造当時がどんな様子だったのか容易に想像できるような気がしました。


第一中庭の風景

さらに進むと巨大なロータス柱が現れます。 直径が3メートルを超え、高さも電柱の2倍はあろうかという高さの石柱が134本も並んでいます。 現在では天井と壁の部分が失しなわれてしまっていますが、完成当時はたぶん巨大な体育館を上回るほどの大きさだったと思います。 その迫力ある石柱には上を見上げてばかりいたので首が痛くなりました。


大列柱室のロータス柱

この大列柱室は古代エジプト帝国の繁栄の絶頂期にあたる約3300年程前、第19王朝期のファラオ、セティ1世が造営に取り掛かり、それを息子のラムセス2世が後を受け継いで工事を完成させたそうです。 


柱に描かれた浮き彫りには まだ彩色が残っているものもあった


ここはかろうじて壁が残っている部分で上部にあるのが採光のための窓 【写真右】

この大列柱室を過ぎるとハトシェプスト女王の巨大なオベリスクが見えて来ました。 神殿の内部は見所がたっぷりとあり過ぎて時間が足りなくなるほどでしたが、やはり第一塔門と大列柱室の大きさは印象が強すぎて他の貴重な建造物の記憶が薄れてしまうほど圧巻でした。 


【写真左】 大きい方のオベリスクがハトシェプスト女王のもの重さが約400t・高さ30m

最奥の至聖所まで足を進めてから右手に見える塔門の方へ回ったのですが、奥の方に位置する遺跡は破損の箇所が目立ち、一見、廃墟を思わせるような所もありましたが、現在は至る所にクレーンを設置して修復作業を進めている様子でした。 次回訪れた時にまた違った景観が見られるのなら、それはそれで楽しみです。


修復作業中の遺跡群


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