平岡整体療院院長の放浪記


第28話 「音と光のピラミッドショー」

夜の食事が終わった後、バスは再び河岸神殿の手前にある広場に到着しました。 ギザ台地はちょうど日没を迎えたばかりで、茜色の夕暮れ空が星空に移り変わるところでした。 


ギザ台地の黄昏

昼間は黙っていても汗ばむほど暑かったのに、暗くなるとたちまち気温が下がってきて、上着が無ければ寒いくらいです。 これは砂漠特有の温度差らしいです。 

広場にはたくさんのパイプ椅子が並んでいます。 私たちが到着した後からも、次々にバスが到着してパイプ椅子の座席が埋まっていきます。 


広場では古代エジプトの装束を着込んだ音楽隊が、バグパイプやアコーディオンなどの楽器を使って生演奏の真っ最中です。 



この後、音の光のピミラッドショーが始まるまでこの演奏は続きました。 



夕闇に浮かびあがるピラミッドをぼんやり眺めていると、音楽隊の演奏が急に止まりスフィンクスとピラミッドがライトアップされてショーが始まりました。 この日はドイツ語のアナウンスの日だったので、私たちは日本語のプリントを渡されてそれを読みながらショーを鑑賞しました。 

大音響の音楽が流れてきてそれに負けないくらいの大音量で古代エジプトの創世神話の解説が始まったのです。 神話の語り部は大スフィンクスです。 

スフィンクスの声はまるで3500年続いた古代エジプト王朝の歴史の移り変わりを見てきたかのように物語るといった具合です。 物語の場面が切り替わる度にライトアップしてるレザー光線の色も絵柄も変わっていきます。 

移り変わる場面の演出に観客は時間を忘れて見入っています。ライトアップされたピラミッドも悪くありません。 まるでショーアップされたプラネタリウムを見ているような感じでした。

30分程が経ち、ピラミッドショーは思っていたよりも早く終わりました。 観客はそれぞれの帰りのバスに乗車してホテルへと帰っていきます。 

私はホテルの部屋に戻ってからシャワーを浴びていたのですが、ふと下を見ると茶色い水が足元に降り注いでいます。 昼間の砂嵐のせいで顔も頭も砂だらけになっていたのです。 たまたま砂嵐の日に当たったので、砂まみれになりましたが、これほど砂をかぶっていたとは思いませんでした。



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