平岡整体療院院長の放浪記 |
第12話 「トロイアの遺跡」 |
旅行に出発する前、ブラットピットが出演している映画『トロイ』を見ました。 『ギリシャの王妃へレナが絶世の美女だったので、トロイの王子は心を奪われてしまいヘレナ王妃を略奪して海を渡って帰国してしまいました。 そこでギリシャの王は怒り心頭となって、王妃を奪い返すべく戦争になってしまいました。 その戦争は十年に渡って続きましたが、ギリシャ軍の木馬作戦によりトロイは一夜にして陥落、ギリシャ軍の勝利で戦争は終結しました。』 確かこんな話の内容だったと思います。
この話は神話か、童話だと思われてきました。 ところがドイツのハインリッヒ・シュリーマンという少年は『トロイ戦争はおとぎ話では無くて実際にあった事なのだ』と勝手に妄想してしまいました。 彼は少年時代の夢を持ち続け、よく働き、やがて事業を起こし、そして成功させ多くの財を成す事ができました。
1870年、シュリーマンはここでやっと長年の夢の実現に取り掛かりました。 シュリーマンはかねてから見当を付けていたトロイアの城跡と思われる場所での発掘を、私財を投じて始めたのです。 発掘は始めたものの、中々埋蔵品は出て来ません。 1873年になって、ようやくアガメムノンの黄金の仮面を発見し、それを皮切りにして数々の宝物を発掘させました。 ところがここからがいけません。 シュリーマンは黄金の装飾品を妻にプレゼントしてしまい、他の発掘品も本国ドイツに持ち帰ってしまいました。 従って現在、黄金の仮面を始めとした財宝はドイツの博物館に展示されています(一部はギリシャの博物館)。
そんな発掘劇の為かせっかくのシュリーマンの偉業もトルコ人からは 『墓盗人』 『学者面した盗賊』 ぐらいの評価しかされていないようです。 後になって分かった事ですが、シュリーマンがトロイの財宝だと思っていた発掘品は、実はトロイよりも更に1000年も前の時代の物だったそうです。
シュリーマンの発掘チームは、時代ごとに九層にまで重なっていた都市遺跡を推定する事ができずに間違った発掘の仕方をしていたのです。
かくしてシュリーマンの夢はかなったのですが、遺跡が日の目を見る事ができたのも彼の妄想と、勘違いのお陰だったのです。 |
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