平岡整体療院院長の放浪記 |
第10話 「エフェソスの遺跡」 |
エフェソスに向かう途中でトルコ絨毯の工場にバスが停まりました。
一通り絨毯作りの工程を見学したあと、大きな絨毯の倉庫のような部屋に通され、その工場の販売員による展示即売会が始まったのです。 最初は羊毛で織られた小さな絨毯から大きいサイズの絨毯まで、手頃な価格のものが紹介されました。 後になってからシルクで織られた高級絨毯を勧められました。 高いものでは300万以上する物もありました。 お客のため息が漏れてくる頃になって、今度は売れ筋の手頃な絨毯を勧めて来ます。 これが客の心理を動かしたのか、何人かのお客が絨毯を買って行きました。 バスに戻ってから『やっぱり買うのやめとけばよかったわ〜』 後ろからそんな声が聞こえて来ました。 この商法は客の心理をなるべく混乱させてタイミング良く買わせる方法のようです。 以前エジプトでも同じ商法で絨毯を売っていました。
絨毯工場から数分でエフェソスの遺跡に到着しましたが、バスから降りると雨の降りが強くなり、このままバスに乗っていたい気持ちでしたが、しかしそうも言ってられないので、傘をさして歩き始めたのです。 歩きながらガイドさんが遺跡の説明をしてくれたのですが、同じツアーの皆さんは大降りの雨のせいか、あまり話を聞いていなかったみたいでした。 ガイドさんの話によると、ギリシャ・ローマ帝国時代には港町として栄え、古代では最大級の商業都市だったみたいです。 あのクレオパトラもアントニウスとハネムーンで訪れた事があり、その時に大劇場で剣闘士と猛獣のデスマッチを楽しんで行かれたそうです。
ところが262年にゴート人の襲撃を受けて、街に放火、破壊されてからは、衰退の一途を辿り、やがて商業都市としての機能は失われてしまったそうです。
どうりで遺跡の保存状態が悪いと思いました。 てっきり地震で壊れたのかと思っていましたが、そんな事情があったのです。
このエフェソスは他にも歴史にゆかりのあった場所らしく、キリストの母、聖母マリアや聖ヨハネが晩年を暮らしていたらしいのです。 そして古代の世界七不思議の一つでもあるアルテミス神殿がここに存在していたのです。
それにしても時の審判とは残酷なもので、遺跡を当時のまま保存する事がいかに難しい事なのかが伺えます。 破壊されていても石材で作られた遺跡なので、ある程度は復元も可能だったらしく、当時の様子が偲ぶ事ができました。 歴史の舞台として名高いエフェソス遺跡ですが、世界遺産には意外にも登録されていないのです。 |
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以下はエフェソス写真集です。
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