平岡整体療院院長の放浪記


第8話 「カッパドキア」(カイマルクの地下都市)

ギョレメの野外博物館を後にして、バラ色の岩の谷間をバスが進んで行きます。 数十分後、岩山はもう見えなくなって、やがてバスは小さな村で停まりました。 岩山地形から離れたこの村にどうやら地下都市があるらしいのです。 バスから降りると石段が続いています。 しばらく登ると坂が終わり、地下都市の入り口に辿り着きました。 

ここでガイドさんから『ここから先は迷路になっています。迷子にならないように私の後ろから決して離れないでついて来てください』 そう言われて縦一列に並び、下りのスロープを下降して行きました。 通路は次第に狭く低くなって行きます。 部屋らしい所へ出ると天井が少し高くなっていますが、部屋と部屋をつなぐ通路は身をかがめてようやく通れる程度の通路もあります。 どうもこれは敵の襲撃に備えてワザと通過しずらいように掘られたようです。 こんな通路ばかり歩いていると、段々腰が辛くなって来ます。 


集会所

この地下都市はこの周辺の地域にはたくさん掘られており、現在も調査が続けられていますが、余裕で数万人が暮らせる規模なのだそうです。 このようにアリの巣状に複雑に掘られていると、案内人が居なければ間違いなく迷子になるでしょう。 


地下都市の起源は古いものでは石器時代から使われていたらしく、いつの時代でもその目的が敵から身を隠して暮らす事で、非常時には侵入して来た敵を向かえ討ち、防ぎ切れないようならば通路を塞いで逃げる仕掛けまで用意されていました。

私は通路を進む度にその工夫を凝らした仕掛けにすっかり感心してしまいました。 他にはワイナリーや礼拝所、集会所や家畜小屋、その他、要所要所に地下から地上までをつなぐ通気口や、井戸までが備えられています。


ワイン蔵

考古学者が『地底人』の家だったと語るほど暮らしに必要なものは全て揃っていました。 『もし地上で戦争していたならのんびり家畜を飼いながらワインを作って終戦まで隠れて暮らすのも悪くないのでは…』 とも考えましたが、この地下都市の中には墓地もあるので、それもどうかなと思ってしまいました。

地下都市を出る頃には腰が石のようになって、丸くなって歩いていましたが、地上に出てみるとまた雨が降っていました。 


お昼を食べに行った洞窟レストランです
壷の中で煮込んだカレーと似た料理でしたがこれが バカウマ だったので、おかわりしてしまいました



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