平岡整体療院院長の放浪記


第7話 「カッパドギア」(ギョレメの谷の洞窟住宅)



『岩の要塞』 ウチヒサルを観光した後、ギョレメの谷にバスが到着しました。 バスは小高い丘に止まったのですが、周囲は深くえぐられた谷になっており、谷を囲む岩山には無数の穴があいています。 その穴は全て住居として掘られた洞窟なのだそうです。 その住宅には現在でも居住する人たちがいるのですが、私たち一行はその中の一軒にお邪魔しました。 玄関で靴を脱いで奥へと進みリビングルームと通されました。 窓からは 『ギョレメの谷』 『妖精の煙突』 などのパノラマが鑑賞できましたが、窓枠の外はフェンスもテラスもないので、下を見ると垂直の崖になっていて大変な高度感がありました。 室内に目を向けてみると高層の集合住宅と どこか似ており、決して広くはなかったのですが、自分がイメージしていた 『アリの巣』 のような室内とは ずいぶん違ったものでした。 床は全て絨毯敷きになっています。 壁にも織りかけの絨毯が吊るされています。 この地域の女性は絨毯を織ることを内職にしているそうです。



ガイドさんの話によると 『この洞窟住居に住むことに不満は感じないが、家族が増えて部屋が足りなくなった時に、岩を削って増改築したいけれど、それができないのが悩み』 なのだそうです。 世界遺産を傷つけることがタブーだからなのだそうですが、その一方で洞窟住宅に住むことによって、トルコ政府から住宅手当が支給されるので住民は助かっているのだそうです。

ソファーに腰掛けていると、この家の奥さんが チャイ(紅茶) を入れて運んで来ました。 出されたチャイを飲んでいたら、今度は手編みのマフラーやら、手袋やらを出してきて勧められました。 チャイをご馳走になったので断れなくて、ついつい買ってしまったのです。 旅先では行く先々で客にお金を使わせる仕組みがありますが、私はいつも余計な物まで買ってしまう傾向があります。

その後、チャイをおかわりして、しばらく過ごした後、次の観光に向かうために、洞窟住宅を後にしてバスに戻りました。


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